2014年06月09日

重加算税が課税されるとどうなる?

浦田泉税理士事務所 (東京都 千代田区)
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重加算税が課税されるとどうなる?

【質問】
税務調査で当社に重加算税が課税される、という話を聞きました。
重加算税について、教えて下さい。


【答え】
重加算税は、二重帳簿など不正事実があった場合に課税されます。
加算税率の高さなどの金銭的なデメリットの他、税務調査に入られやすくなるなどの経営上のデメリットもあります。



重加算税は、いわゆる二重帳簿や帳票の改ざん、隠蔽などの「不正事実」があることをもって課税されるものをいいます。

ペナルティ的な意味合いの税金ですが、重加算税には、企業にとって大きなデメリットがあります。

(1)加算税率が高い
もし税務調査の結果として修正申告をすれば、加算税は通常10%です。
ところが重加算税となると税率は35%ですので、本税の25%分を上乗せの追徴税額として支払うことになります。

(2)延滞税の計算期間の特例が使えない
ざっくりとした説明になりますが、例えば3年前の修正申告を提出しても、3年分の延滞税が課されるわけではなく、1年分の計算になります。
このように、通常の加算税の場合、延滞税の計算は「計算期間の特例」を使うことになっています。
しかし、重加算税が課された申告期間については、この「計算期間の特例」の適用がありません。

(3)税務調査に入られやすくなる
国税は過去に重加算税を課された法人および個人事業主を中心に、税務調査先の選定をすることにしています。
「過去に不正をした納税者はまた不正する」から税務調査で狙うのです。

これは、重加算税が課された額で判断されるわけではなく、課されたという「事実」のみで判断されるため、注意が必要です。
たとえ修正申告をしても、繰越欠損金があって最終的に本税が0円、重加算税が0円となったような場合であっても、「あの法人は重加算税が課された」という履歴が残り、以後、税務調査に入られやすくなる傾向があります。

(4)2年は上場できなくなる
重加算税が課されたということは、脱税と同じ扱いということで上場基準に抵触します。
上場を狙っている法人は、重加算税を課されてしまうと、以後2年間は上場することができないと規定されています。


なお、修正申告を提出していたとしても、加算税部分は(修正申告とは別の)処分ですので、重加算税部分だけで不服申立てをすることができます。

重加算税が課税されることは、金銭的にも経営的にも大きなデメリットになりますので、身に覚えのない重加算税は安易に受け入れないよう、税理士等とよく相談して下さい。


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浦田泉税理士 
    浦田泉税理士事務所
      浦田 泉 税理士
     東京都千代田区二番町
     1−2 番町ハイム737




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