2014年03月03日

「給与所得者の特定支出控除」で確定申告するには

浦田泉税理士事務所 (東京都 千代田区)
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「給与所得者の特定支出控除」で確定申告するには

【質問】
サラリーマンでも確定申告をすれば経費が認められる制度って、かなりオトクですよね。
確定申告に必要な書類などを教えて下さい。


【答え】
特定支出控除を受けるためには、特定支出に関する明細書、搭乗・乗車・乗船に関する証明書や支出した金額を証する書類(領収書等)、給与所得の源泉徴収票に加え、「給与の支払者の証明書」を申告書に添付する必要があります。


前回、「給与所得者の特定支出控除」の概要をお話ししました。
今回はその具体的な使い方についてご説明いたします。

給与所得者が「特定支出」をした場合、その年の特定支出の額の合計額が「一定額」を超えると、確定申告によりその超える部分の金額を給与所得控除後の所得金額から差し引くことができる、というのが制度の概要になります。

特定支出控除を受けるためには、確定申告を行う必要があります。
その際、特定支出に関する明細書、搭乗・乗車・乗船に関する証明書や支出した金額を証する書類(領収書等)、給与所得の源泉徴収票を申告書に添付しなければなりません。
さらに「給与の支払者の証明書」も申告書に添付する必要があります。

「給与の支払者の証明書」は、国税庁からフォーマットが提示されています。
会社から提示がない場合はPDFファイルをプリントアウトして必要事項を記入の上、会社の証明を受けて下さい。
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kobetsu/shotoku/shinkoku/871222/01.htm

さて、オトクかどうかという判断は、「オトク」をどう捉えるかで変わってきます。
通勤費や転居費、研修費、資格取得にかかった費用、帰宅旅費や書籍、制服、交際費等で社用のものなど、「特定支出」として認められる範囲は意外と広いのです。
しかし、確定申告する「特定支出」は、会社から費用補填がないものに限られます。
いわゆる「経費精算」をして、費用を会社から受け取っているものについては、特定支出にはなりません。
あくまでも「身銭を切った社用費」に限られる、ということです。

会社のために身銭を切ったものがある意味「経費」として認められるのはオトク、と言うことができます。
ちなみにその金額は、というと、例えば年収300万円(額面)の人の場合、55万円の「特定支出」(社用の費用を個人のお金で支払った)の場合で、給与所得から控除できる金額は1万円です。
(年収500万円の人の場合、78万円の「特定支出」で給与所得から控除できる金額は1万円です)
年収に対して少なからぬ金額を、会社からの経費補助もなく「身銭」を切ることが前提となりますので、何が何でも「特定支出控除」を使うことがオトク!と言えるかどうかはよく考えた方がいいかもしれませんね。


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浦田泉税理士 
    浦田泉税理士事務所
      浦田 泉 税理士
     東京都千代田区二番町
     1−2 番町ハイム737




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