2014年02月10日

自宅兼事務所の家賃が必要経費にならない?!

浦田泉税理士事務所 (東京都 千代田区)
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自宅兼事務所の家賃が必要経費にならない?!

【質問】
自宅の一部を事務所として利用していますが、事務所として使っている部分の家賃を経費として計上できないという話を聞きました。
具体的にどういうことなのでしょうか?


【答え】
自宅の一部を事務所としている場合でも事業の遂行上必要であり、明らかに区分出来れば必要経費として認められます。
一方で、平成25年10月17日、自宅で保険代理店を営む納税者が支払う家賃を必要経費として認めない東京地裁の判決が出ました。



 保険代理店やネットビジネスなど、事務所を構えなくてもできる個人ビジネスはけっこうあります。
 その場合、自宅の一部を事務所としていることも多いと思います。

 このような場合に、事務所スペースに対応する家賃や建物の減価償却費、あるいは水道光熱費等を必要経費として計上することの是非が問われる裁判の判決に注目が集まっています。

 平成25年10月17日の東京地裁判決で争われたのは、生命保険の代理店業務を営む方のケースでした。
 月17万円で賃借していた住宅で、1階はビジネス専用の集会場、2階の洋室のうち1部屋は業務専用スペースとして、そられの面積に対応する家賃を必要経費としていました。

 これを必要経費に算入することが認められるかが争われた裁判において、裁判所は
「本件住宅について、全体として居住の用に供されるべき3LDKの2階建て住宅であり、その構造上、本件住宅の一部を居住用部分と事業用部分とに明確に区分することができる状態にないことは明らかであると指摘」
したそうです。

 また、「リビングなどを業務専用スペースとして常時使用し、それ以外の用向きには使用していなかったとは考えられないと指摘している」とされています。

 そのうえで、「本件住宅のうちのリビングなどが業務専用スペースとして使用されたいたことを前提に、その面積に対応する家賃を業務の遂行上必要なものとして必要経費に算入することはできない」と必要経費性を否定しています。

所得税では、「家事関連費が必要経費として認められるには、その主たる部分が事業の遂行上必要であり、かつ、その必要である部分を明らかに区分することが出来る場合に限られる」という定めがあります。

 この定めがあるからには、自宅の一部を事務所としている場合でも事業の遂行上必要であり、明らかに区分出来れば必要経費として認められるわけですが、適用するには十分な注意が必要となりそうです。


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浦田泉税理士 
    浦田泉税理士事務所
      浦田 泉 税理士
     東京都千代田区二番町
     1−2 番町ハイム737




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