2013年03月11日

売掛金の時効は5年ではないの?!

浦田泉税理士事務所 (東京都 千代田区)
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売掛金の時効は5年ではないの?!

【質問】
飲食店を営む者です。
お客さんからの飲食代のツケを回収したかったのですが、知り合いから「ツケは1年で時効になる」と聞きました。
私は「売掛金の時効は5年」と聞いていたのでのんびり構えていましたが、1年だとするとかなり時間が無く、焦ります。


【答え】
商法の規定では、商売上の債権の時効は5年で成立するとされています。
しかし、民法上は、売上債権の種類により、3年、2年、1年と細かく規定されており、飲食店の飲食代金のツケは1年で時効が成立します。
判例では民法規定が優先されますが、現在、民法改正の議論が進んでおり、最終的にどのような改正になるのか注目が集まっています。


 商売上の債権は、商法第522条により、原則として5年間で時効が完成することになっています。
 商人間でのお金の貸し借りや、家賃、地代、広告費、などは、5年によって時効が完成となります。

 ただし、売掛金については、民法173条の規定により、種類ごとに3年、2年、1年、などと細かく決められており、非常に短期で消滅時効が完成となります。
 現在の判例では、民法173条の規定が、商取引に関する債権の消滅時効の期間を5年とする商法の規定に優先する、とされています。

 民法173条に定める「売掛金の消滅時効」の主なものは、以下のとおりです。

【3年の消滅時効】・・・
・建設業者の工事請負代金
・ホームページ作成代金
・病院の診療代、薬剤費
など

【2年の消滅時効】・・・
・卸売業、小売業などの販売する物品の商品代金
・理髪店の理容代金やクリーニング屋の代金
・学習塾や習い事の月謝
・弁護士の報酬金
など

【1年の消滅時効】・・・
・運送業者の運送代金、レンタカー代金
・ホテルや旅館の宿泊料
・飲食店の飲食代金(飲み屋のツケなど)
など

 実は現在、民法改正の議論が進められています。
 2月の法制審議会では「民法改正の中間試案」がまとめられ、早ければ2015年の国会に改正案提出となりそうです。

 今回の民法改正では、現行民法173条の規定が撤廃になるかも?という議論もあるようです。
 もし実現すれば、回収できる債権が増加するかもしれませんね。

 ナニゲに今回の改正は1世紀ぶりの大改正、と言われており、特に債権について大幅な改正がなされる予定だそうです。
 但し、まだまだ議論の真っ最中。
 最終的にどのような内容で落ち着くかは未定ですが、ぜひ注目したい改正点ですね。


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浦田泉税理士 
    浦田泉税理士事務所
      浦田 泉 税理士
     東京都千代田区二番町
     1−2 番町ハイム737




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