2013年01月31日
相続税が上がるって本当?−平成25年税制改正大綱より−
浦田泉税理士事務所 (東京都 千代田区)
------------------------------------------------
相続税が上がるって本当?−平成25年税制改正大綱より−
【質問】
新聞や雑誌で相続税が上がる、という話題を目にします。
具体的に何がどう変わるのでしょうか?
【答え】
平成25年の与党税制改正大綱によると、平成27年から相続税の基礎控除額が引き下げられ、さらに税率構造が変わるとされています。
具体的には、相続税の基礎控除が引き下げられ、税率構造が変わる、と言う点が大きなポイントになります。
そもそも相続税は、大きな財産を持っている人がそれを引き継ぐときにかかる税金です。
広い視点から言い換えれば、一定の人にだけ富が集中するのを避けるための「富の再分配」という役割があるのです。
ところが、バブル期に大幅に上がった地価が下落する中においても、バブル期の地価上昇に対応した基礎控除や税率構造の水準が据え置かれてきた結果、課税割合が低下する等、富の再分配機能が低下していることが以前から問題視されていました。
こうした状況を受けて、今回、課税ベースの拡大(基礎控除の引き下げ)と税率構造の見直しが行われたのです。
では具体的に内容を見てみましょう。
●基礎控除の引き下げ
平成27 年より、相続税の基礎控除について、
現行の「5,000万円+1,000 万円×法定相続人数」が、
「3,000 万円+600 万円×法定相続人数」に引き下げられます。
●税率構造の見直し
最高税率を55%に引き上げる等、税率構造の見直しを行います。
具体的には次のとおりです。
■相続税の税率構造
(現行)
1000万円以下の金額・・・10%
3000万円以下の金額・・・15%
5000万円以下の金額・・・20%
1億円以下の金額・・・・・・30%
3億円以下の金額・・・・・・40%
3億円超の金額・・・・・・・・50%
(改正案)
1000万円以下の金額・・・10%
3000万円以下の金額・・・15%
5000万円以下の金額・・・20%
1億円以下の金額・・・・・・30%
2億円以下の金額・・・・・・40%
3億円以下の金額・・・・・・45%
6億円以下の金額・・・・・・50%
6億円超の金額・・・・・・・・55%
このように、一方で課税ベースが拡大され、大きな財産の相続については増税という一面が見えてきますが、別の一面もあります。
例えば、今回の税制改正大綱では、個人の土地所有者の居住や事業の継続に配慮する観点から、小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例について、居住用宅地の限度面積を拡大するとともに、居住用宅地と事業用宅地の完全併用を可能とする等の拡充といった制度も整備されるようです。
また、贈与税の最高税率を相続税に合わせる一方で、高齢者の保有する資産を現役世代により早期に移転させ、その有効活用を通じて「成長と富の創出の好循環」につなげるため、子や孫等が受贈者となる場合の贈与税の税率構造を緩和する等の見直しを行うとともに、相続時精算課税制度について、贈与者の年齢要件を65 歳以上から60 歳以上に引き下げ、受贈者に孫を加える拡充も盛り込まれています。
これはあくまでも与党の税制改正大綱ですので、国会での審議等を経てはじめて法案成立となります。ですから、これからの審議過程は要チェックです!
本当の意味での決定ではないということを念頭に置きつつも、大きな改正になりますので準備を進めることは大事かもしれませんね。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
浦田泉税理士事務所
浦田 泉 税理士
東京都千代田区二番町
1−2 番町ハイム737
------------------------------------------------
相続税が上がるって本当?−平成25年税制改正大綱より−
【質問】
新聞や雑誌で相続税が上がる、という話題を目にします。
具体的に何がどう変わるのでしょうか?
【答え】
平成25年の与党税制改正大綱によると、平成27年から相続税の基礎控除額が引き下げられ、さらに税率構造が変わるとされています。
具体的には、相続税の基礎控除が引き下げられ、税率構造が変わる、と言う点が大きなポイントになります。
そもそも相続税は、大きな財産を持っている人がそれを引き継ぐときにかかる税金です。
広い視点から言い換えれば、一定の人にだけ富が集中するのを避けるための「富の再分配」という役割があるのです。
ところが、バブル期に大幅に上がった地価が下落する中においても、バブル期の地価上昇に対応した基礎控除や税率構造の水準が据え置かれてきた結果、課税割合が低下する等、富の再分配機能が低下していることが以前から問題視されていました。
こうした状況を受けて、今回、課税ベースの拡大(基礎控除の引き下げ)と税率構造の見直しが行われたのです。
では具体的に内容を見てみましょう。
●基礎控除の引き下げ
平成27 年より、相続税の基礎控除について、
現行の「5,000万円+1,000 万円×法定相続人数」が、
「3,000 万円+600 万円×法定相続人数」に引き下げられます。
●税率構造の見直し
最高税率を55%に引き上げる等、税率構造の見直しを行います。
具体的には次のとおりです。
■相続税の税率構造
(現行)
1000万円以下の金額・・・10%
3000万円以下の金額・・・15%
5000万円以下の金額・・・20%
1億円以下の金額・・・・・・30%
3億円以下の金額・・・・・・40%
3億円超の金額・・・・・・・・50%
(改正案)
1000万円以下の金額・・・10%
3000万円以下の金額・・・15%
5000万円以下の金額・・・20%
1億円以下の金額・・・・・・30%
2億円以下の金額・・・・・・40%
3億円以下の金額・・・・・・45%
6億円以下の金額・・・・・・50%
6億円超の金額・・・・・・・・55%
このように、一方で課税ベースが拡大され、大きな財産の相続については増税という一面が見えてきますが、別の一面もあります。
例えば、今回の税制改正大綱では、個人の土地所有者の居住や事業の継続に配慮する観点から、小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例について、居住用宅地の限度面積を拡大するとともに、居住用宅地と事業用宅地の完全併用を可能とする等の拡充といった制度も整備されるようです。
また、贈与税の最高税率を相続税に合わせる一方で、高齢者の保有する資産を現役世代により早期に移転させ、その有効活用を通じて「成長と富の創出の好循環」につなげるため、子や孫等が受贈者となる場合の贈与税の税率構造を緩和する等の見直しを行うとともに、相続時精算課税制度について、贈与者の年齢要件を65 歳以上から60 歳以上に引き下げ、受贈者に孫を加える拡充も盛り込まれています。
これはあくまでも与党の税制改正大綱ですので、国会での審議等を経てはじめて法案成立となります。ですから、これからの審議過程は要チェックです!
本当の意味での決定ではないということを念頭に置きつつも、大きな改正になりますので準備を進めることは大事かもしれませんね。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
浦田泉税理士事務所
浦田 泉 税理士
東京都千代田区二番町
1−2 番町ハイム737