2012年12月19日

来年1月からの源泉徴収事務にご注意!−復興特別所得税の取扱い

浦田泉税理士事務所 (東京都 千代田区)
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来年1月からの源泉徴収事務にご注意!−復興特別所得税の取扱い

【質問】
震災からの復興のために増税がある、という話が以前あったと思うのですが、その増税ってどうなったんですか?

【答え】
来年1月1日から平成49年12月31日までの間、すべての所得について通常の所得税に加え「復興特別所得税」(所得税額の2.1%)が徴収されることになりました。
これに伴い、源泉徴収事務も少し変わってきますので、注意が必要です。


昨年12月、未曾有の震災からの復興の財源確保を目的に、「復興特別所得税」が創設されました。

これにより、平成25年1月から平成49年12月までの間、すべての所得について通常の所得税に加え「復興特別所得税」(所得税額の2.1%)が徴収されることになりました。

この制度の創設に伴い、皆様の給与・賞与の源泉所得税をはじめ、講演料・原稿料・税理士報酬等に係る源泉徴収事務についても今までとは違う取扱いとなりますのでご注意ください。


■給与等に係る復興特別所得税
=基準所得税額に対して2.1%が復興特別所得税となります。


■講演料、原稿料、税理士報酬等に係る復興所得税
=講演料等の場合、これまでは報酬額の10%の所得税を源泉徴収することとなっていました。
復興特別所得税は、基準所得税(この場合、源泉所得税)の2.1%ですから、割合としては10%×2.1%=0.21%が復興所得税となります。

ですから、通常の源泉所得税+復興特別所得税=10%+0.21%=10.21%となります。
残りの部分(100%−10.21%=89.79%)が手取額になる計算です。


講演料等については、手取額から逆算して報酬額を決定されるお客様もいらっしゃるかと存じます。
これまでは主に手取額を0.9で割り算した金額を源泉税込みの報酬額と計算されていたかと思いますが、この計算方法も変わりますのでご注意ください。

【ワンポイント:手取額から額面金額を逆算する場合】
●取引先が消費税の課税事業者でない場合
・・・手取額÷89.79%(0.8979)で計算します。

【例1】手取額10万円の場合、
(請求金額)111,370円(=100,000円÷89.79%)
(源泉所得税)▲11,137円(=111,370円×10%)
(復興特別所得税)▲233円(=11,137円×2.1%)
(差引手取額)100,000円(=111,370円−11,137円−233円)

●取引先が消費税の課税事業者である場合
・・・手取額÷94.79%(0.9479)で消費税抜きの請求金額を計算します。(消費税率5%の場合)

【例2】消費税込み手取額10万円の場合
(消費税抜き請求金額)105,496円(100,000円÷94.79%)・・・(A)
(消費税5%)5,275円(105,496円×5%)
(消費税込み請求金額)110,771円
(源泉所得税)▲10,550円((A)の105,496円×10%)
(復興特別所得税)▲221円(10,550円×2.1%)
(差引手取額)100,000円


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浦田泉税理士 
    浦田泉税理士事務所
      浦田 泉 税理士
     東京都千代田区二番町
     1−2 番町ハイム737


   
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