2012年10月15日

黒字倒産とは―資金繰り表のススメ

浦田泉税理士事務所 (東京都 千代田区)
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黒字倒産とは―資金繰り表のススメ

【質問】
利益が出ても倒産する「黒字倒産」というものがあると聞きます。
なぜ黒字倒産が起きるのでしょうか?
また、黒字倒産を防ぐためのポイントがあったら教えて下さい。


【答え】
黒字倒産とは、利益が出ているにも関わらず、資金回収の遅れで運転資金のやりくりができずに倒産することをいいます。
利益とキャッシュは違うため、利益がでていても倒産することがあるのです。


 「黒字倒産」とは、利益が出ているにも関わらず、資金回収の遅れで運転資金のやり繰りができず倒産することです。

なぜ黒字倒産が起きるのか、というと利益とキャッシュは違うからです。
もし仕入、販売、経費の支払い―そのすべてを現金決済している、という企業ならば、利益とキャッシュとは一致します。

ただし、今は信用取引が一般的です。
皆さんの会社でも、例えば月末締めの翌月末払い、といった形で、請求書をもらってから、実際に支払を行うまでの間にタイムラグがあるのが一般的ではないでしょうか。

つまり、利益は請求書を発行した時点で収益として計上できますが、実際にキャッシュが入るのはもっと後になることが一般的で、現実は利益とキャッシュは一致しないことがほとんどです。

もし、売掛金のキャッシュ入金のタイミングが遅くなる取引で、かつ、売掛金の回収期間が買掛金の支払期間に比べて長いようなときは、
「製品が売却され売上計上があるにもかかわらず、入金のタイミングはずっと後で、キャッシュが入るまでの間の人件費・仕入れ等の支出が賄えない状態」に陥ることもあります。
これが黒字倒産です。

とくに注意したいのは、支払手形を相手に渡しておきながら、その「期日」に現金の準備ができず、不渡手形を出したことになり、銀行取引、客先取引停止というパターン。
自社のみならず、取引先も巻き込んだ連鎖倒産を引き起こす可能性があるので十分な注意が必要です。

これを防ぐには、簡単でよいので資金繰り表を作成することです。
資金繰り表といっても難しいフォーマットなどは不要です。社長の目でざっくりと次の2つのポイントが確認できるものなら、どんなものでもOKです。

・いつ、いくらのお金が入ってくるのか。
・いつ、どのくらいのお金が出ていくのか。

いつ、どのくらいのお金が出ていくのかを集計していくと、自社の商品、サービスの原価率(変動費)がどのくらいなのか、給与や家賃、水道光熱費など、売上高に関係なく必ずかかる経費(固定費)がいくらくらいあるのか、などをざっくり把握することができます。

この「ざっくり把握」がとても重要ですので、ぜひ一度資金繰り表を作ってみてください。
わからないところは、ぜひ顧問税理士等にご相談下さい!


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浦田泉税理士 
    浦田泉税理士事務所
      浦田 泉 税理士
     東京都千代田区二番町
     1−2 番町ハイム737


   
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