2012年10月09日

何を見ればいいの?―貸借対照表

浦田泉税理士事務所 (東京都 千代田区)
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何を見ればいいの?―貸借対照表

【質問】
損益計算書は利益の金額を見るのによく使います。
最近では、損益計算書を使った財務諸表分析で収益力の分析ができることがわかりました。
そうなると、貸借対照表はあまり見なくてもよい、ということになりますか?


【答え】
貸借対照表を用いた財務指標の中には、企業の支払能力を見る「安全性分析」があります。
中でも短期の支払能力を見る指標として「流動性比率」は、中小の企業であっても有効かつ簡単に算出できる指標です。


 損益計算書は利益が計算されるため、何がかかれているのか比較的わかりやすい財務書類です。
しかし、貸借対照表は「これを見て何が分かるの?」と思われている方が多いかと思います。

財務諸表分析には、企業の支払能力を知ることができる「安全性分析」があります。
実は、財務諸表分析には、貸借対照表を使った分析が結構たくさんあります。
その中でも、計算が簡単でどんな企業でも使える指標をご紹介いたします。

安全性分析の中には、短期の支払能力をみる指標があります。
「流動比率」といって、次の計算式で求められます。

流動比率=流動資産÷流動負債×100(%)

この指標は、1年以内に返済しなければならない「流動負債」(買掛金や短期借入金など)を、1年以内に換金できるとされる「流動資産」(現預金など)でどれだけ返済できるか、を示す指標です。
この比率が高いほど、企業の支払能力は高いといえます。

200%以上が理想と言われていますが、100%以上であれば、1年以内の支払能力について問題ないと考えられます。

中小企業全体では150%程度になっていますが、設備投資が比較的少なくて済む情報通信業やサービス業では約200%となっています。
同業他社や業界平均と比べて自社の流動性比率はどの程度なのか比較することで、自社の弱みやこれからの課題解決に向けての糸口が見えてくるかも知れませんよ!


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浦田泉税理士 
    浦田泉税理士事務所
      浦田 泉 税理士
     東京都千代田区二番町
     1−2 番町ハイム737


   
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