2012年07月09日

生きている間に墓地を買うのは損か、得か?!

浦田泉税理士事務所 (東京都 千代田区)
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生きている間に墓地を買うのは損か、得か?!

【質問】
先日、墓地を買いませんか?というDMが届きました。
自分もそんな年になったのか、と思いつつ、買っておくのも悪くないかなと思って一人息子に相談したところ、「縁起でもないからそんなことするな!」と怒られました。


【答え】
墓地や墓石、仏壇等は相続税の非課税財産となり、相続税はかかりません。
もし、息子さんが墓地相当額の現金を相続して墓地を購入する場合、その現金には相続税がかかります。


 ちょっとした雑談のような話でしたが、ご相談の件について相続税の観点から少しお話しいたします。

 相続税は原則として、相続や遺贈で取得した財産に対して課税されます。
 しかし、財産の性質や社会政策的な問題、国民感情などに配慮して、相続税を課すことが望ましくないとされる財産は非課税財産となり、相続税が課されることはありません。

 例えば公益目的事業のための財産や心身障害者共済制度の給付金受給権、生命保険金・退職手当金の一部、国や地方公共団体に寄付した財産などが該当します。
 これに加えて、墓地や墓石、仏壇、神棚、仏神を祭る道具なども、非課税財産に該当するといわれています。墓地や墓石は祖先を敬うための財産であり、日常礼拝の対象となっているからです。

 つまり、ご相談の方が生きているうちに墓地を購入し、相続人(息子さん)に相続した場合、墓地は非課税財産となり、相続税はかかりません。

 ただし、万一亡くなったあとに相続人が相続した資金を使って墓地を購入した場合、相続財産は「現金」ですから、相続税が課税されるのです。

 つまり、生前に自分の墓を建てておくことは相続税の節税対策のひとつといえます。
 相続税の基礎控除の引き下げが取り沙汰されるなど、近い将来での相続税増税が予想されています。その対策として「お墓を建てて節税」は、選択肢のひとつに加えておいていいのかもしれません。

 また墓地の「購入」は、ほとんどの場合土地の「所有権」ではなく「使用権」を取得することになるため、不動産取得税や固定資産税もかかりません。

 亡くなった後財産をどうするか、といった問題は、親族ではなかなか口に出しにくいものです。ぜひご本人の口から、説明をしておきたいところですね。


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浦田泉税理士 
    浦田泉税理士事務所
      浦田 泉 税理士
     東京都千代田区二番町
     1−2 番町ハイム737


   
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