2011年09月05日
経営者のための税金に関わる資金計画 第9回 「納税はキャッシュが命 その2〜先を見通す重要性〜」
第9回
「 納税はキャッシュが命
その2〜先を見通す重要性〜 」
「 納税はキャッシュが命
その2〜先を見通す重要性〜 」
★D(ディレクター)税理士とADめぐみの会話形式で説明展開していきます!(会話形式のため、文末が必ずしも丁寧語でないことをご容赦ください)
ADめぐみ「前回、会社の資金には【運転資金】と【設備資金】
があって、この性格の違いを理解して資金繰りを
考えていくことが大切だという話を聞きました」
D税理士「そうだね。特に、このシリーズのテーマである
『納税』にあたっては、運転資金の管理が重要と
なるよ」
ADめぐみ「でも、基本的に税金というのは儲かったから
おさめるものですよね。儲かったなら税金は払え
て当たり前じゃないですか」
D税理士「・・(大汗)。君は、前回までの話を忘れてしまった
のかな?納税の際、手元に現金がなくて思わず
困ることがあるからこそ、第1回からずっと『先を
見通す重要性』『納税に計画的備えを』という話を
具体的に語ってきたんだよ・・・・」
ADめぐみ「そ、そうですよね・・。
つい、うっかりしていました!」
D税理士「ドラマ水戸黄門も終わってしまうことだし、いい加減、
うっかり八兵衛は卒業してもらわないと・・(笑)。
まあいい。たとえば法人税というのは、確かに
儲かったからこそ払うものだ。でも儲かったけれど
実際には手元に現金がない、ということもある」
ADめぐみ「まさに、それこそが【運転資金】の資金繰りと
いうわけですね」
D税理士「そうだよ、やればできるじゃないか。会社は儲かって
いても、その利益の分だけ現金が増加している
わけではない。たとえば、期末に大きな売上が
あったとしても、その資金が手元に入るのは、
手形などなら通常3か月後のことが多いよね。
つまり利益はあがり納税が発生しても、手元に
現金が入ってくるのはずいぶん先。だから困って
しまう」
ADめぐみ「納税は決算の2か月後以内ですよね。
3か月後に入る現金ではタイミングがずれてしまう
というわけですね」
D税理士「前回強調したように、納税は基本キャッシュで行う
ことになる。だから現金を納税用に別途管理しておく
ことはとても大事なことなんだ。実際、【運転資金】と
いうのは、売上だけでなく、たとえば、経費の支払い
でキャッシュアウトする部分も考慮にいれていかなけ
ればいけない。毎日、動いているものだからね」
ADめぐみ「言ってみれば、どれだけきちんと先を見通せるか
という、経営者の感覚が試されているわけですね」
D税理士「そうともいえるね。その際、納税に関しては、どの
種類の税金がどのタイミングでかかってくるか、に
ついてタックスカレンダーのようなものをつくって普段
から意識しておくと便利かもしれないね」
ADめぐみ「それにしても経営者って本当に大変ですね・・」
D税理士「もちろん、そのために我々税理士がパートナーと
しているわけだから、経営者の方にとって有益と
なる資金繰りについての整理や情報提供は
「数字の分かる人」に行ってもらったほうがいいと
思うよ。経営者として肝心なことは『納税には先を
見通す必要があるという』認識を持つことだと思うよ」
ADめぐみ「私も先を見通すことのできるディレクターを目指し
ます! 脱・うっかり八兵衛!」
⇒POINT D税理士からのアドバイス
納税には運転資金の管理が重要となります。利益があがっていても手元に現金がないといったことがないよう、普段から、先を見通し、準備を行っておくのがベターです。 もちろん、その際、税理士のような専門家に手伝ってもらうのも一つの手でしょう。これらの作業を通して正しい経営感覚が身に付くため、事業がさらに大きくなっていくことにつながります。 |
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次回は「納税方法を極める」です。
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