2011年08月25日

消費税の税制改正について(2)―税制改正のポイント

浦田泉税理士事務所 (東京都 千代田区)
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消費税の税制改正について(2)―税制改正のポイント

【質問】
 来年から消費税法が改正されると聞きました。当社は原則課税を採用しているのですが、計算方法が変わる、という話を聞きました。何がどう変わるのでしょうか。

【答え】
 平成24年4月1日以後に開始する課税期間から適用される改正の一つとして、仕入税額控除の計算を、個別対応方式か一括比例対応方式により計上することになります。(課税売上高が5億円を超える事業者に限る)

 前回、消費税の税額計算の基本として、原則課税方式と簡易課税方式についてご説明いたしました。
 今回は、いよいよ改正のポイントについてご説明いたします。

 実は、原則課税方式を選択した場合、課税仕入れに含まれる消費税の額全額を課税売上げに係る消費税の額から控除することができるのは、これまで「課税売上高の割合が95%以上」のときでした。

 たとえば土地を売却するなど、非課税の大きな収入が上がるなどして、課税売上高の割合が95%未満になった場合には、課税仕入れに含まれる消費税の額の全額は控除することができません。

 この場合、課税売上げに係る消費税の額から控除する課税仕入れに含まれる消費税の額(仕入控除税額)の計算方式は、「個別対応方式」と「一括比例配分方式」のどちらかの方式を選択することになります。


 個別対応方式とは、その課税期間中の課税仕入れ等の消費税額のすべてを次のように区分し、計算した金額が仕入控除税額となります。

 イ  課税売上げのみに対応する課税仕入れ等の消費税額
 ロ  非課税売上げのみに対応する課税仕入れ等の消費税額
 ハ  課税売上げと非課税売上げに共通して対応する課税仕入れ等の消費税額
 
(個別対応方式・算式)
 仕入控除税額=イ+(ハ×課税売上割合)

 
 一方、一括比例配分方式とは、次の算式によって計算した金額が仕入控除税額となります。

(一括比例配分方式・算式) 
仕入控除税額=課税仕入れ等の消費税額(イ+ロ+ハ)×課税売上割合

 
 この方式は、課税仕入れに含まれる消費税額について、上記個別対応方式のイ・ロ・ハの区分がされていない場合、又は区分されていても、この方式を選択する場合に適用されます。

 ここで冒頭の【回答】をご覧いただきたいのですが、これまでは課税売上高95%未満の法人のみに適用されていた「個別対応方式」と「一括比例配分方式」を、課税売上高95%以上の法人にも適用する、というのが、今回の改正のポイントになります。(課税売上高5億円超の法人に限りますが)

 そのため、会社が今まで大雑把に経費のマイナスとして処理していたものの中に、今後は厳密に売上として計上しなければならないものが出てくるので注意が必要です。

 例えば、今まで会社が従業員から徴収していた社宅家賃を、会社が借り上げている当該物件の家主に支払った家賃から控除して家賃を計上していた場合、今後は厳密に課税売上割合を計算するために、非課税売上として当該社宅収入を売上で計上することになります。

 ともあれ、消費税に関しては一手間増えることになります。

 詳しい対策等については、税理士までお問い合わせ下さい。


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浦田泉税理士 
    浦田泉税理士事務所
      浦田 泉 税理士
     東京都千代田区二番町
     1−2 番町ハイム737

   
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