2011年08月08日

経営者のための税金に関わる資金計画     第8回 「納税はキャッシュが命 その1〜運転資金と設備資金〜」

第8回 
「 納税はキャッシュが命
 その1〜運転資金と設備資金〜 」

D(ディレクター)税理士ADめぐみの会話形式で説明展開していきます!(会話形式のため、文末が必ずしも丁寧語でないことをご容赦ください)

ADめぐみ「なんで税金を納めるのはキャッシュ(現金)なの
      ですか?」
D税理士「お!いきなりすごい角度の質問だね(笑)
      でも意外といい質問かもしれないよ」

ADめぐみ「時代劇ではよく米俵を年貢として納めているじゃな
      いですか。でも実はその中身が小判で【おほほ、そち
      も悪よのぉ】みたいな展開もあったりしますけど」
D税理士「君はいささか水戸黄門の見過ぎかな(笑)
      でも確かに、たとえば江戸時代は、米の現物納が
      原則とされていたよね。そう考えれば、海産物やある
      いは宝石なんかで納税できれば助かる人もいるのか
      もしれない。でも、徴収する国側から見れば、随分不
      安定な税収となってしまうよね。実際、江戸時代も
      ネズミの食害や運送船の難破等で税収は不安定
      だった」

ADめぐみ「税収が不安定ということは、国として予算や予定が
      たてられないわけですね」
D税理士「そうなんだ。今回はちょっと雑学的な話からはじまっ
      たけど、【納税はキャッシュで行う】ということは、安定
      した国家運営をしていくには欠かせないことだよ。
      だから現在、相続税で一部物納が認められている
      以外は、基本、納税はキャッシュで行う」

ADめぐみ「だからこそ、やはり経営、特に納税ではキャッシュ
      が命
というわけですね」
D税理士「いわゆる【資金繰り】というものが命となるわけだね。
      キャッシュがなければ何もはじまらない。今日はそん
      ななかでも、運転資金と設備資金について説明して
      おくよ」

ADめぐみ「運転資金は、日常の営業活動に使う資金ですよ
      ね。仕入代金や買掛金の支払い、各種経費の支払
      い、等のことで、企業が活動する際に日常的に必要
      となる資金のことですよね」
D税理士「そうだね、納税資金というのはこの運転資金に属
      することになるよ。一方、設備資金というのは、建物
      や機械など、主に固定資産取得の際の資金を指す」

ADめぐみ「この2つの何が重要なのですか?」
D税理士「運転資金というのはその性格から言って短期資金、
      設備資金は長期資金ということになると思うが、その
      性格の違いをよく把握して、運転資金と設備資金を
      区別して管理することが重要
なんだ。
      たとえば、100万円現金があったとして、70万円の
      設備資金が必要になったとする。今ある現金から払
      ってしまえば、運転資金は残り30万円だけだよね。
      ところが、70万円を融資で補えば、100万円が運転
      資金となる。一見、当たり前の話のようだが、短期的
      に必要となる運転資金を正しく把握しているかどう
      か、など、こういうところに経営者としての資金繰りの
      感覚が試されてくるんだ」

ADめぐみ「もし運転資金がショートしてしまえば、納税も
      当然行えない・・」
D税理士「そうなんだ。安定した資金繰りをしていくためには、
      運転資金と設備資金の性格を理解して区別・管理し
      ていくことが重要だよ。そしてそれこそが、安定した
      納税対策にもなっていく
んだね。」


⇒POINT  D税理士からのアドバイス
税金というのは、法人税にしろ、所得税にしろ、消費税にしろ、ほぼすべてのものをキャッシュ(現金)で納めていくこととなります。だからこそ「資金繰り」を把握することが重要となるわけですが、その際、「運転資金」と「設備資金」の性格を理解し、区別・管理していくことが、安定した資金繰りをしていくための最低条件となります。

税理士 岡田 誠彦 著


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次回は「納税はキャッシュが命 その2 〜先を見通す重要性〜」です。
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