2011年07月04日

経営者のための税金に関わる資金計画     第7回 「確定申告は準備が鉄則!」

第7回 
「 確定申告は準備が鉄則! 」

D(ディレクター)税理士ADめぐみの会話形式で説明展開していきます!(会話形式のため、文末が必ずしも丁寧語でないことをご容赦ください)

ADめぐみ「いよいよ確定申告のお話ですね。」
D税理士「そうだね、一年の総決算というべき作業だよ。基本
      的な確認として、確定申告はいつ行っていくか知って
      いるかな?」

ADめぐみ法人の場合は事業年度終了の日の翌日から2カ月
      以内、個人事業の場合は、2月16日〜3月15日の
      間
に行っていきます。具体的に言えば、例えば、5月
      末が事業年度終了の法人だとすれば7月末までに
      申告と納税を行う、個人事業の場合は、すべての人
      が3月15日までに申告と納税を行うということです
      ね!」
D税理士「その通り!この調子だとディレクターになれる日も
      近いね。」

ADめぐみ「この、あたしがディレクターかぁ。ついに、あこがれ
      のディレクターかぁ・・・」
D税理士「オイオイ、すぐその気になる・・(汗)。
      ところで、第5回第6回と解説してきた中間申告と
      の関係は分かるかな?」

ADめぐみ「もちろんです!法人税の中間申告や、所得税の
      予定納税というのは、基本的に前年度の実績に基づ
      いた仮の納付額です。なので、確定申告で正確に
      計算した1年分の税金から、中間申告分を差し引い
      て納付、あるいは、中間申告納付が多すぎた場合は
      還付していくということですよね。」
D税理士「そうだね。その年の正確な税額というのは、あくまで
      この「確定申告」の作業で算出されることになる。
      法人税の税率は現時点で、中小企業の場合、所得
      が800万円までなら18%、それを超えた部分は
      30%だね。所得税は5%〜40%と所得によって
      税率が異なってくる」

ADめぐみ「資金繰りとの関係で言えば、どんな準備が必要
      なのですか?」
D税理士「お!質問までまともになってきたね。
      確定申告というのは1年の総決算だから、正確な
      税金というのはあくまでここで確定、納付していくこと
      になるよね。ただし、確定申告の時期まで一切税金
      のことについて考えないのは危険だよ。あくまで、
      期の途中で適宜【納税予測】をしていくことが大事
      なんだ。実は納税予測というのは、資金繰りの面だ
      けでなく、その期の経営計画とも直結する欠かせな
      い作業となるよ。」

ADめぐみ「まさに準備が鉄則というわけですね。」
D税理士「ここでは法人の場合を説明しておくよ。法人は、法人
      税のほかに、法人住民税や事業税を支払っているか
      ら、実際の税率は、利益が800万円以下の法人な
      ら、およそ35%、利益が800万円超の法人は40%
      と考えていく。そして毎月、試算表に表示されている
      税引前純利益(累積)にそれらの税率をかけていく
      と、その時点でのざっくりとした納税予測になると思う
      よ。ただ、交際費などが多い法人の場合は、さらに
      税金は高くなるからあくまで最低限の目安として考え
      てほしい。」

ADめぐみ「なるほど、毎月その時点までの税金額をきちんと
      予測して、資金繰り等に反映させていけば、とまどわ
      なくてすむわけですね」
D税理士「経営は、計画と先の見通しが鉄則だからね。期末に
      なって納税金がない!などという事態は最も避けな
      いといけない。先を見通せれば、経営戦略そのものも
      効果的になるんだ。」
ADめぐみ「私も、ディレクターになるという「先」が見えてきまし
      た!頑張ります。」


⇒POINT  D税理士からのアドバイス
確定申告は法人、個人事業ともに1年の総決算であり、その年度の税額を申告、納付していくことになります。重要な事は、期の途中で(中間申告での納税額を考慮にいれながら)適宜「納税予測」を行うことです。資金繰りとの関係で言えば、納税予測に基づいた納税資金を別途「納税用通帳」で管理することをおすすめします。これらの準備を通して、経営状態を正しく把握することも可能となります。

税理士 岡田 誠彦 著


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次回は「納税はキャッシュが命 その1 〜運転資金と設備資金〜」です。
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