2011年05月09日

経営者のための税金に関わる資金計画     第5回 「資金繰りに要注意!法人税中間申告」

第5回 
「 資金繰りに要注意!法人税中間申告 」

D(ディレクター)税理士ADめぐみの会話形式で説明展開していきます!(会話形式のため、文末が必ずしも丁寧語でないことをご容赦ください)

ADめぐみ「またまた要注意な納税が登場しましたね。今回は
      中間申告ですか?」
D税理士「そうだよ。法人税の中間申告は危険なこともある納
      税なんだ。まずは、中間申告の内容が分かるか
      な?」

ADめぐみ「それは分かります!前期の法人税納付額が20万
      円を超えた場合は、今期の6カ月を経過した日から
      2カ月以内に中間申告が必要になるんですよね」
D税理士「お!正解ではあるが、条文を暗記したかのような
      実に分かりにくい表現だね。つまり、その期の真ん中
      から2カ月以内に中間申告をする必要があるというこ
      とだよね。3月決算法人なら、9月末が中間決算月で
      11月末までに中間申告を行うということだよね」
ADめぐみ「たしかその納付額は、前年度の法人税納付額の
      半分を納めればいい
んですよね?言ってみれば税金
      の前払いの性質ですが、そのどこが危険なんです
      か?」

D税理士「納税は「資金繰り」と関係してくるわけだけど、この
      「資金繰り」というのは常に変化しているものだよね。
      そうだ、君のお財布と同じだよ」
ADめぐみ「はい、私の場合、話題の美味しい店を知ってしまう
      と、ついつい散財してしまいます。でもそういうことが
      なければ、私のお財布は割と潤沢です」
D税理士「(笑)。会社の資金繰りも常に変化しているよね。
      前年度、どんなに調子がよくても、今年度になった途
      端、その勢いが激減することもある。
中間申告での
      納付額というのは、基本的に、前年度の法人税額の
      半分を納付すればいいので簡単ではあるんだが、
      その簡単な行為にこそ危険がひそむわけだ」
ADめぐみ「なるほど!前年度と比較し、今年度の業績が落ち
      込んでいる時は、前年度実績を基準とした納付で
      は、資金繰りに無理が生じる可能性があるというわ
      けですね」

D税理士「そうなんだ。ただ、その場合は「仮決算方式」といっ
      て
、確定申告と同じように6カ月分の仮決算をして、
      確定申告と同じような申告書を書いて、今期6カ月分
      の実績を反映させた納付額をおさめてもいい
ことにな
      っているんだ。ただし、これは大変手間がかかるもの
      だよ」
ADめぐみ「どう考えても、前年度納付の半分を自動的に納めた
      方が楽ですよね」
D税理士「それは、多くの人が選択する「前年度実績方式」
      いうもので、さきほどから言っているように、前年度の
      半分を納付するだけで終わり
だ。実は申告書も提出
      しなくて差し支えない。実に簡単ではあるけれど、今
      期の業績と資金繰りが悪い場合は、手間がかかって
      も「仮決算方式」をとったほうがいいだろうね」
ADめぐみ「なるほど。中間申告にあたっても気を抜かず、きち
      んと資金繰りを考えるべきなんですね。」

D税理士「もっとも、今期の成績が悪くても、資金繰りにさえ
      余裕があるなら、あえて前年度実績に基づいて払っ
      てしまう方がいいかもね。その場合は、確定申告時
      に還付されることになるわけだけど、その際の還付加
      算金は銀行の利息よりも高率だからね」
ADめぐみ「手間も簡単で、あとで戻ってくるときに利息までつい
      ている。基本は「前年度実績方式」がいいようです
      ね!」

⇒POINT  D税理士からのアドバイス
法人税の中間申告は、前年度納税額が20万円を超えた場合に必要となってきます。期の真ん中から2カ月以内に納付することになりますが、通常は「前年度実績方式」といって、前年度納税額の半分を納付します。ただし、今期、急激に業績が悪化している場合は要注意です。資金繰りが苦しくなる場合は「仮決算方式」を選択しましょう。

税理士 岡田 誠彦 著


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次回は「予定納税でとまどわない!!」です。
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