2012年02月01日

個人事業主の確定申告               第4回「財テクをしているときの確定申告」

第4回 「 財テクをしているときの確定申告 」

1.株取引
(1)利益が出ているとき
  まず口座の種類を確認します。
  ●特定口座(源泉あり→申告不要です。
  ●特定口座(源泉なし→申告必要です。
    申告書の作成は難しくありません。証券会社から
    送られてくる年間取引報告書を第三表に転記する
    だけです。
  ●一般口座→申告必要です。
    取引報告書から年間の売買損益を計算して第三表に
    記入します。

 第三表というのは分離課税用の申告書で、ある所得(株の売却益など)を他の種類の所得(事業所得など)と合算せず、分離して申告するときに使います。

(2)損失が出ているとき
  口座の種類にかかわらず申告しましょう。
  申告しておけば、損失が出た分を翌年以降の株取引の
 所得から差し引くことができます。

2.FX
 くりっく365か相対取引かによって税金の扱いが異なります。
(1)利益が出ているとき
  ●くりっく365
   株取引と同様に第三表を使って申告します(分離課税)。
  ●相対取引
   こちらは総合課税になりますので、事業所得など他の
   所得と合算して申告します。

(2)損失が出ているとき
  ●くりっく365
   損失が出た場合は、翌年以降のくりっく365の利益から
   差し引くことができます。
  ●相対取引
   申告不要です。
   損失は他の所得と合算できず、翌年以降にも繰り越し
   できません。

3.法人化の検討
 FXに習熟してきて「これからものすごく儲かっちゃいそう」な方は会社を設立して会社名義で財テクをされたらいかがでしょうか。
 個人のままでも事業(事業所得)と認められれば必要経費の範囲が広がりますが、税務署内部ではFXを事業とみる認識はないと言われています。
 必要経費が広がる他にも株とFXの損益を通算できる、最高税率が下がるなどのメリットがあります。

税理士 井田 直宏 著


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