2012年02月01日
個人事業主の確定申告 第3回「節税策の王道」
第3回 「 節税策の王道 」
個人事業者の所得税は下記の3段階で計算します。
(1)1年間の収入−1年間の経費=所得金額
(2)所得金額−所得控除(扶養控除など)=課税所得
(3)課税所得×税率=所得税額
所得税額−税額控除(住宅ロ−ン控除など)=納付税額
(1)段階での節税策
収入を減らして経費をたくさん計上すれば所得は下がります。ただし収入を誤魔化すのはやめましょう。これは王道ではなく邪道です。売上除外は犯罪性のある行為と見なされ、発覚した場合に重加算税の対象になります。
この段階では経費を地道に集めることが王道です。自宅の家賃、固定資産税、光熱費も自宅で仕事をするのであれば一定割合を経費とすることができます。仕事に使う部分の床面積で按分しても、仕事時間で按分してもOKです。
経費を集めるというと、コンビニやガソリンスタンドで不要レシートをわしづかみにしてくることを連想されるかもしれません。レシ−トは領収書と違って宛名がありませんから本人が支出したことは証明できません。したがってほどほどにした方がいいでしょう。
(2)段階での節税策
所得控除をもれなく受けることが王道です。私の経験では、寡婦(夫)控除の対象なのに受け忘れて邪道申告になっている人が多い気がします。
各段階共通の心構え
世界の王、イチロ−、松井に共通するのは球をぎりぎりまで引きつけて打つことです。
確定申告の達人になるにもぎりぎりで納付税額を決め込む技倆が必要です。12月に入って意外に収入が多そうだとわかったら、30万円未満の消耗品を買って一発経費にする、小規模共済を一年分前払いする、滞納していた国民年金をまとめて払うなどの技を使いましょう。
最後に
確定申告書の用紙は複写式になっていて、1枚目は税務署へ、2枚目は税務署経由で市町村へ提出されます。この2枚目で住民税・国民健康保険税の税額が決まりますので、所得税を節税すれば、住民税・国民健康保険税にも節税効果が波及します。がんばって本丸である所得税の節税に励みましょう。
税理士 井田 直宏 著
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次回は「財テクをしているときの確定申告」についてです。
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