2008年11月14日

<民法実践編>                    第11回 相談事例 「婚姻・離婚-4」

みなさんこんにちは。
今回は離婚における「公正証書」の活用について解説していこうと思います。


はじめに「公正証書」とは何か?
 みなさんの中で、はじめて公正証書という言葉を聞いた人も多いと思います。
なぜなら私も行政書士になって初めてその存在を知ったくらいです。(笑)

 公正証書とは、裁判官や検察官を退任された方が公証人として任命され、公証人が作成する公文書です。作成する場所は公証役場です。公文書ですから高い証明力があり、債務者が金銭債権の支払いを怠ると、裁判所の判決を待たないで直ちに強制執行手続きに移ることができます。


離婚における取決めは「公正証書」をお勧めします。
 離婚においてお互い取決めるべき主な項目は以下のものです。
 ○慰謝料の金額 (一括払い又は分割払いの支払い方法)
 ○養育費の額  (一般的には、子が20歳に達するまで)
 ○親権者の指定 (両親のどちらかが親権者にならないと
             離婚届は受理されません)
 ○財産分与
 ○子供との面接交渉権を決める場合はその方法

 例えば、慰謝料の支払いが300万円となった場合、一括で支払うことは厳しいでしょう。
また、養育費の支払いは数年になりますので、相手から養育費の支払いを受けられなくなることもあるかもしれません。
口約束や覚書などをした場合、相手に支払いを要求するには手間隙がかかります。

 なぜなら、離婚の取決めを「公正証書」以外で行った場合は、まずは相手に金銭の支払いを再度請求します。相手から支払いがない場合は、裁判所に申立てを行い裁判になります。相手から「本当に離婚時にそのような約束をしたか」を裁判で争う必要があるのです。裁判で自分の主張が認められれば「支払い命令」の判決を裁判所からいただけます。それを元に強制執行の手続きを行うことになります。


正直裁判は面倒です。
 そこで、公正証書の登場です。
 公正証書は、お互いが取決めた事項を公証人の面前でお互いが確認して、公証役場で合意したことを公証人が認証したものを書面にしたものです。この公正証書があれば、相手方が約束した慰謝料や養育費の支払いがない場合は、裁判を起こさず、直に強制執行手続きを行ってもらえます。

 相手が会社勤めなら、給与の4分の1までの範囲で差押さえが出来、相手の預金口座(預金銀行)などが分かっている場合も差押さえも可能です。

 うちの事務所では離婚における取決めは必ず「公正証書」にて行うことを推奨しています。ちなみに、うちの事務所で数多くの離婚公正証書を手がけてきましたが、強制執行の依頼はゼロです。

 なぜなら、離婚公正証書を作成するにあたっては、お互いが納得するまでトコトン話し合ってもらうからです。お互いが合意して決めた約束だし、子供のことでもあるので養育費の支払いは、私が担当した方々はきちんと支払いをしているようです。


離婚公正証書の作成に必要な書類等は?
 ○夫及び妻の印鑑証明書各1通
 ○夫及び妻の実印
  ※印鑑登録がない場合は、認印と運転免許証でも可
 ○戸籍謄本1通


注意事項
 離婚する前(離婚届を提出する前)に、必ず「離婚公正証書」を作成してください。順番として離婚の取決めをしてから正式に離婚となります。


 公正証書というものがあることをご理解いただければとも思います。離婚以外にも「遺言書」や「各種契約書」にも活用されています。機会があればその他の公正証書について解説できればと思います。

 今回は以上です。



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