2008年10月24日

<民法実践編>                    第10回 相談事例 「婚姻・離婚-3」

みなさんこんにちは。
今回は親権について解説していこうと思います。

【親権の定義】
 親権とは一般的に、子供の身のまわりの世話や教育をする権利(身上監護権)子供の財産を管理する権利(財産管理権)をいいます。
 この親権は婚姻中両親が共同で子供の親権を行使しますが、離婚する場合は、両親のうちどちらか一方がこの親権を行使することとなります。

【親権者を決める基準】
 離婚時に争いになることとして、夫婦のどちらが親権者になるのかということが多いです。話し合いで親権者が決まらない場合は、調停や裁判となるケースもあります。裁判所が親権者として夫婦のうちどちらがふさわしいかを決める基準は一般的に次の通りといわれています。

「親の基準」
  1. 親の健康状態
  2. 性格(暴力的かどうかなども)
  3. 職業や経済状況
  4. 子供の育児に費やせる時間
  5. 親権者が育児できない場合、他の協力者がいるか
   (子供の祖父母など)
「子の基準」
  1. 0歳〜10歳の子供
    衣食住全般にわたって子供の面倒をみる必要上、
    母親が親権者になる場合が多い。

  2. 10歳〜15歳の子供
    子供の精神的・肉体的な状態により、子供の意思を
    尊重する場合もある。

  3. 15歳〜20歳の子供
    子供の意思を尊重する。

  4. 20歳以上の子供
    親権者の指定は必要ない。

 これらの事情を総合判断して親権は決定されます。
一般的に母親が親権者になる確率が高いようです。(母親が親権者となる割合70%程度)

 実務的に子供の親権は非常にデリケートな問題です。今回覚えておいていただきたいことは、親権者になれなくても、親子関係は一生続くということです。夫婦が離婚しても、親権者にならなくても、血縁関係はなくならないので一生親子です。

 ただ、どうしても相手が親権者にこだわって離婚の話し合いがつかない場合も多いです。協議離婚の場合は、親権者の指定がないと離婚届が受理されません。子供の親権は2つに別けられません。そこで、次のような方法もあります。親権は相手に譲り、監護権者として子供を引き取って一緒に暮らすという選択があります。

 このケースが活用されるのは、親権者(財産管理権)は父としたが仕事で忙しいので、子供の世話や教育などは母親が行う(身上監護権)場合です。母親には親権がないから子供の財産を管理する権限はないのですが、一緒に暮らして子供の世話をすることが可能になります。父は休みの日に子供に会うことも可能です。

 協議離婚の際に話し合いで、親権者は父、監護権者は母と定めることもよくあります。ただし注意しなければならないことは、離婚届には親権者を記載する欄はあるのですが、監護権者を記載する欄はありません。話し合っても単なる口約束となることも十分あります。そこで、監護権があることの公正証書を作成するか念書を作成しておいた方がよいでしょう。

 親権はあくまでも子供の利益第一で決めていただきたいものです。
 親のエゴや世間体で決めるものではありません。夫婦でじっくり話し合って決めていただきたいものです。

 今回は親権について解説しました。
 次回は、離婚時における公正証書の活用について解説していこうと思います。




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