2008年10月10日
＜民法実践編＞ 第9回 相談事例 「婚姻・離婚��-2」
みなさんこんにちは。
今回は財産分与について解説していこうと思います。
【財産分与の定義】
そもそも財産分与の定義とは『婚姻中に築いた財産を離婚にあたって清算すること』です。
前回に説明した慰謝料請求は、不貞行為等で精神的苦痛があった場合にしか請求できませんが、今回の財産分与は離婚時にお互いの財産形成の貢献度に応じて当然に認められます。婚姻中に夫婦が共同で築いた財産は次の２つに分類されます。
1.共有財産
夫婦の共有となっている財産で、主に共有名義の不動産や共同で購入した家財など。
2.実質的共有財産
夫婦のどちらか一方の単独名義になっていても、実質的に夫婦が協力して購入した財産。主に夫婦でお金を出し合って購入したマンションを夫の単独名義で所有している場合など。
婚姻前から各自で所有していたものは、『婚姻中に夫婦が共同で築いた財産』とは認められず、財産分与の対象となりません。
【財産分与の割合】
離婚時における財産分与で一番揉めることは、財産分与の割合になります。
基本は民法の原則通り話し合いで決めるのが一番です。しかし、話し合うにも財産分与の基準が分からないとお互い話し合いも出来ないですよね。一般的な財産分与の基準は以下の通りです。（裁判の判例等）
1.専業主婦の場合の財産分与
収入がなくても財産分与の請求は可能です。
夫は専業主婦のサポートがあってこそ収入を得たり蓄財できたりした訳です。その貢献度に応じて財産分与の請求ができます。この貢献度はさまざま事情が考慮されますので一概にいくらとはいえません。当然、婚姻期間が長いほうが金額も高くなります。専業主婦の場合は大部分が3割から5割の範囲で財産分与の請求が可能です。
2.共働き夫婦の場合の財産分与
夫婦間に収入の格差があっても、能力に著しい差や労働時間に大きな差がある場合以外、基本的に分与は2分の1とします。能力に著しい差とは、夫が医師で年収3000万円、妻はパートで年収80万円といったような場合です。
【財産分与と税金】
離婚における相談で質問として多いのが財産分与に関する税金です。
慰謝料や財産分与を現金でもらう場合は、税金はかかりません。
しかし、財産分与が不動産の場合は注意が必要です。
不動産をもらった側は不動産取得税を支払わなければなりません。税額は原則として市町村の固定資産課税台帳に登録された価格×3％（住居用）となりますが、各種軽減措置等がありますので各自治体で確認ください。
また、不動産の名義を変更する場合は法務局に登録免許税を不動産価格（固定資産課税台帳の価格）の2％納める必要があります。
（平成18年4月1日から平成21年3月31日まで1％平成21年4月1日から平成22年3月31日まで1.3％平成22年4月1日から平成23年3月31日まで1.5％の軽減措置あり）
財産分与の話し合いを行う場合は、不動産にかかる税金は誰が負担するかもきちんと話し合っておくべきです。後になって税金が払えないとなると大変なことになりかねません。仮に不動産の評価額が1000万円の場合は、50万円の税負担が生じますので、きちんと話し合って誰が負担分を払うかも忘れずに決めておきましょう。
また、ローンの残債が残っている不動産を分与してもらう場合は、支払い残ローンの返済方法、誰がどの程度残債を負担するのか、一括で返済してから分割するかなども話し合う必要があります。
今回は財産分与について解説しました。
次回は、養育費と親権について解説していこうと思います。
今回は財産分与について解説していこうと思います。
【財産分与の定義】
そもそも財産分与の定義とは『婚姻中に築いた財産を離婚にあたって清算すること』です。
前回に説明した慰謝料請求は、不貞行為等で精神的苦痛があった場合にしか請求できませんが、今回の財産分与は離婚時にお互いの財産形成の貢献度に応じて当然に認められます。婚姻中に夫婦が共同で築いた財産は次の２つに分類されます。
1.共有財産
夫婦の共有となっている財産で、主に共有名義の不動産や共同で購入した家財など。
2.実質的共有財産
夫婦のどちらか一方の単独名義になっていても、実質的に夫婦が協力して購入した財産。主に夫婦でお金を出し合って購入したマンションを夫の単独名義で所有している場合など。
婚姻前から各自で所有していたものは、『婚姻中に夫婦が共同で築いた財産』とは認められず、財産分与の対象となりません。
【財産分与の割合】
離婚時における財産分与で一番揉めることは、財産分与の割合になります。
基本は民法の原則通り話し合いで決めるのが一番です。しかし、話し合うにも財産分与の基準が分からないとお互い話し合いも出来ないですよね。一般的な財産分与の基準は以下の通りです。（裁判の判例等）
1.専業主婦の場合の財産分与
収入がなくても財産分与の請求は可能です。
夫は専業主婦のサポートがあってこそ収入を得たり蓄財できたりした訳です。その貢献度に応じて財産分与の請求ができます。この貢献度はさまざま事情が考慮されますので一概にいくらとはいえません。当然、婚姻期間が長いほうが金額も高くなります。専業主婦の場合は大部分が3割から5割の範囲で財産分与の請求が可能です。
2.共働き夫婦の場合の財産分与
夫婦間に収入の格差があっても、能力に著しい差や労働時間に大きな差がある場合以外、基本的に分与は2分の1とします。能力に著しい差とは、夫が医師で年収3000万円、妻はパートで年収80万円といったような場合です。
【財産分与と税金】
離婚における相談で質問として多いのが財産分与に関する税金です。
慰謝料や財産分与を現金でもらう場合は、税金はかかりません。
しかし、財産分与が不動産の場合は注意が必要です。
不動産をもらった側は不動産取得税を支払わなければなりません。税額は原則として市町村の固定資産課税台帳に登録された価格×3％（住居用）となりますが、各種軽減措置等がありますので各自治体で確認ください。
また、不動産の名義を変更する場合は法務局に登録免許税を不動産価格（固定資産課税台帳の価格）の2％納める必要があります。
（平成18年4月1日から平成21年3月31日まで1％平成21年4月1日から平成22年3月31日まで1.3％平成22年4月1日から平成23年3月31日まで1.5％の軽減措置あり）
財産分与の話し合いを行う場合は、不動産にかかる税金は誰が負担するかもきちんと話し合っておくべきです。後になって税金が払えないとなると大変なことになりかねません。仮に不動産の評価額が1000万円の場合は、50万円の税負担が生じますので、きちんと話し合って誰が負担分を払うかも忘れずに決めておきましょう。
また、ローンの残債が残っている不動産を分与してもらう場合は、支払い残ローンの返済方法、誰がどの程度残債を負担するのか、一括で返済してから分割するかなども話し合う必要があります。
今回は財産分与について解説しました。
次回は、養育費と親権について解説していこうと思います。
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