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2008年09月26日

＜民法実践編＞　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　第8回　相談事例　「婚姻・離婚②-1」

みなさんこんにちは。

　前回は離婚の方法及び条件について解説しました。
　今回から数回にわたり、慰謝料・財産分与・親権問題など離婚で一番揉めることについて解説していこうと思います。

離婚時において一番問題となることは

１　慰謝料の問題
２　養育費・親権の問題
３　面接交渉権の問題
４　財産分与の問題

代表的にはこの４つが離婚時において一番揉める事項です。
今回は慰謝料について解説していきます。

　離婚において慰謝料が発生する場合は、相手の暴力によって肉体的・精神的苦痛を受けたとか、相手に浮気をされて精神的に苦痛を受けた場合です。民法709条の不法行為における損害賠償請求を根拠に請求することが出来ます。

ただし、慰謝料を請求するには証拠が必要です。

暴行虐待に対する慰謝料を請求するには
　　⇒暴力をふるわれたこを証明する医師の診断書

不貞行為(不倫)に対する慰謝料を請求するには
　　⇒不貞行為を証明する写真、手紙など

　次に、慰謝料の金額ですが一般的にはそれほど高くないのが現状です。まあ、せいぜい100万～300万円程度でしょう。(これとは別に財産分与を請求することは可能。詳しくは次回解説します。)

　前回もお話しましたが、離婚はお互いが合意している場合は協議を行い、慰謝料の金額も話し合いで決めます。自分が納得した慰謝料を相手に支払ってもらえそうにない場合は家庭裁判所に申立を行います。

【慰謝料を決めるまでの手順】
協議しても慰謝料の話がまとまらないが、離婚の合意がある場合
　①地方裁判所で判決
　②家庭裁判所で調停　⇒地方裁判所で判決
※慰謝料だけを裁判所で決める場合は、調停を経ずに裁判できます。

協議しても慰謝料の話がまとまらず、離婚の合意がない場合
　　家庭裁判所で調停　⇒地方裁判所で判決
※合意がない場合は、調停を先に行って話をします。

慰謝料の請求期限 … 3年

　慰謝料の請求は不法行為による損害賠償請求権の性質を持つため、3年の短期消滅時効にかかります。ちなみに、時効の起算点は不貞行為等を知った時から3年、不貞行為等を行った時より20年経過(除斥期間)した時に消滅します。

※除斥期間とは、不貞行為等をずっと知らなかった場合、例えば19年目で事実を知っても20年経過したらその時点で時効が完成する制度です。　

　離婚における慰謝料請求は、場合によっては証拠が必要で、請求には時効があるなど請求するのは大変になることも多いです。出来るだけお互い冷静に話し合いで解決出来るように努力してください。　

　今回は慰謝料について解説しました。
　次回は、財産分与について解説していこうと思います。

株式会社 プロフェッションネットワーク

2008年09月26日

＜民法実践編＞ 第8回 相談事例 「婚姻・離婚②-1」

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＜民法実践編＞　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　第8回　相談事例　「婚姻・離婚②-1」