2008年05月22日

減価償却費の月次決算の見込み計上

土田総合会計事務所
/株式会社ビジネス・リーフ
 (東京都 千代田区)
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◆減価償却費の月次決算の見込み計上

 決算というと、年次決算、月次決算、中間決算、四半期決算といろいろなタイミングで実施します。
 しかし、基本は月次決算の積み重ねと考えるとよいでしょう。

 毎月末に、年次決算と同じように「決算修正仕訳」を計上すれば良いのですが、中小企業ですと決算の開示ということがないので、月次がおろそかになりがちです。
 「減価償却」「賞与引当金」の月次決算計上は、一度覚えてしまうと大したことではないので、月次でも是非計上するようにしてください。

理由は、
 この2項目は金銭的に大きく、損益に影響が大きいので、毎月処理しておかないと「決算を締めたら赤字になった!」「6月と12月だけ大赤字だ!」ということになるからです。

◆減価償却費の計上ステップ

 最も簡単な方法から説明します。
 (「こんなんで良いの?」とは言わないでくださいね!)

 (1)当期減価償却費の金額を調べる。
  当期の減価償却費の金額は、「現在の試算を期末まで持っていた場合に、年決算の時の計上する減価償却費の金額」です。

 税理士に依頼すれば、決算終了後にすぐ教えてもらえるはずです。当然、減価償却計算は固定資産用のソフトでやっていますので、すくなくとも前期の決算書ができた時点で、教えてもらえるはずです。
 (例) 12,000,000円

 (2)今期の毎月末に、12分割した金額で下記の仕訳を入れる。
 (例)
  1. 12,000,000円÷12月=1,000,000円
  2. 月末仕訳
    減価償却費 / 減価償却累計額   1,000,000円

 (3)年度末に決算修正仕訳として、正しい減価償却費の金額を下記のように仕訳する。
 (例)
  1. 今期の正しい減価償却費 15,000,000円
  2. 今月まで計上した見込みの償却費を取り崩す。
    減価償却費 / 減価償却累計額 1,000,000円(毎月分)
  減価償却累計額 / 減価償却費 12,000,000円(金額取崩)
  3.正しい償却費を計上する(※)
    減価償却費 / 減価償却累計額 15,000,000円

 ※減価償却の計上方法を累計額を使わない【直接減額法】を選択して資産から控除している場合でも、期中は便宜的に「減価償却累計額」を使って同じように仕訳してください。最後の3の年額計上の時に、直接減額法で計上します。

 たったこれだけのことですが、毎月処理するだけで月次決算の精度がアップしますので、お忘れなく!

 ◆補足
 ・期中に大きな資産を買ったときは、どうするの?
 ・除却を大量に予定している時は?

 などなど、期中に資産の増減があるときの減価償却の金額はどうしたら良いでしょうか。

 そのような時は、下記の手順で検討していただくと良いでしょう。

 1.重要性の判断
  金額の大小により判断して、少ないときは無視します。

 2.償却費の増減
  重要性のある場合は、「12分割金額の同じ金額を毎月計上」とやってはいけません。
  固定資産の減価償却計算ソフトで計算させて、増減した資産分だけ月次の償却費を調整します。

 この減価償却計算は、月割計算をします。
 間違えないように注意しましょう。


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東京都 千代田区 税理士 土田先生 土田総合会計事務所
  /株式会社ビジネス・リーフ

      土田 拓己 税理士
 東京都千代田区猿楽町1−5−3
        
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