2008年05月08日

発生主義での計上

土田総合会計事務所
/株式会社ビジネス・リーフ
 (東京都 千代田区)
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発生主義での計上

●その1 5勘定の残高確定

 発生主義で売上、仕入、経費の損益勘定を確定させることが、決算の第一ステップです。
このときに、決算として最重要視する項目が5勘定の残高確定です。

 5勘定とは、
 1.売掛金
 2.受取手形
 3.買掛金
 4.支払手形
 5.棚卸資産を言います。

 この残高の確定ができますと、売上仕入の損益勘定が正しく計上されたことになります。

 5勘定の決算業務は、経理以外の各部門との連携と社内システムの精度がものを言います。
 月次決算が早い会社は、システムが完璧に動いて、末日になるとほとんど確定しているぐらいになっています。
 
【ポイント】
 早い月次決算のポイントは、販売管理と購買・在庫管理のシステムの構築です。

●その2 売掛金の管理

 売掛金の管理、債権管理は経理の中でもボリュームのある仕事のひとつです。毎月の決算ごとに、債権額を確定し、長期のものに対しての対策を決めておくことは、債権管理の第一歩ですので、経理だけでなく全社で取り組むべき課題と思ってください。
 全社対応が原則という認識を社内に浸透させるのも、経理担当の役割ということです。

 債権管理上で決算のときに具体的に検討すべきポイントをまとめます。

 1.売掛金の残高の総額を確定させる
 2.売掛金残高を性格ごとに集計する
 (例)
  契約上の残高:取引先との回収サイトどおりの適正な残高
  担当者の回収努力不足の残高:請求忘れ、督促不足
  長期滞留の残高:得意先の事情で支払いが滞っているもの
  貸倒見込みの残高:貸倒要件に該当しているもの
 3.性格ごとに対策を立てる
 回収努力不足になっている残高についても、何らかの理由があるはずです。
 例えば得意先との関係が悪化している、担当者引継ぎがうまくいっていない、などです。
 それぞれについて、担当者と社長との打合せをしてもらって、結論を議事録でまとめておいてください。長期滞留や貸倒見込みに対しても、法的処理をどこまで取るのかのステップを社長と営業担当者を交えて決めておきます。

 このときの経理担当者の役割は、この会議を【債権回収対策一覧表】としてまとめておくことです。

 営業担当者にとっても、未回収はつらいものです。このように対策会議をして問題を営業担当者個人の問題でなく、会社の問題としてあげることで、本来の営業活動に注力できるようにしてあげることも、経理の役割と思ってください。

【ポイント】
 売掛金の決算は全体で見てから、個別の性格で対応策を会議する。

 年次決算のときは、『残高証明依頼』を各取引先に依頼し、残高を確定させることを忘れずに。


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東京都 千代田区 税理士 土田先生 土田総合会計事務所
  /株式会社ビジネス・リーフ

      土田 拓己 税理士
 東京都千代田区猿楽町1−5−3
        
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