2014年02月

2014年02月17日

巷で話題?!の「特定支出控除」って?

浦田泉税理士事務所 (東京都 千代田区)
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巷で話題?!の「特定支出控除」って?

【質問】
サラリーマンでも確定申告をすれば必要経費が認められる、と聞きました。
どういう制度なのでしょうか?


【答え】
「給与所得者の特定支出控除」といって、給与所得者(サラリーマン等)が「特定支出」をした場合、その年の特定支出の合計額が一定額を超えると、確定申告でその超える部分の金額を給与所得控除後の所得金額から差し引くことができる制度です。


 給与所得者(サラリーマン等)にも必要経費が認められる!
 ということで話題になっている「給与所得者の特定支出控除」。

 今日はその概要についてお話致します。

 給与所得者が「特定支出」をした場合、その年の特定支出の額の合計額が「一定額」を超えると、確定申告によりその超える部分の金額を給与所得控除後の所得金額から差し引くことができる制度−これが「給与所得者の特定支出控除」です。

 まず「一定額」とは、「特定支出控除額の適用判定の基準となる金額」と言われ、金額は以下の通りです。
●その年中の給与等の収入金額1,500万円以下の方はその年中の給与所得控除額×1/2
●その年中の給与等の収入金額1,500万円超の方は125万円


 次に「特定支出」とは、給与所得者が支出する次に掲げる支出のうち一定のものです。

1 一般の通勤者として通常必要であると認められる通勤のための支出(通勤費)
2 転勤に伴う転居のために通常必要であると認められる支出(転居費)
3 職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的として研修を受けるための支出(研修費)
4 職務に直接必要な資格を取得するための支出(資格取得費)
※平成25年分以後は、弁護士、公認会計士、税理士などの資格取得費も特定支出の対象となります。
5 単身赴任などの場合で、その者の勤務地又は居所と自宅の間の旅行のために通常必要な支出(帰宅旅費)
6 次に掲げる支出(その支出の額の合計額が65万円を超える場合には、65万円までの支出に限ります。)で、その支出がその者の職務の遂行に直接必要なものとして給与等の支払者より証明がされたもの (勤務必要経費)
 (1) 書籍、定期刊行物その他の図書で職務に関連するものを購入するための費用(図書費)
 (2) 制服、事務服、作業服その他の勤務場所において着用することが必要とされる衣服を購入するための費用(衣服費)
 (3) 交際費、接待費その他の費用で、給与等の支払者の得意先、仕入先その他職務上関係のある者に対する接待、供応、贈答その他これらに類する行為のための支出(交際費等)
※6の支出については、平成25年分以後、特定支出の対象となります。

 これらの特定支出に該当するものでも、給与の支払者から補填される部分があり、かつ、その補填される部分に所得税が課税されていないときは、その補填される部分は特定支出から除かれます。

 例えば特定支出に該当する通勤費であっても、会社から全額通勤費を補助されているならば、特定支出はゼロになります。

 また、これらの6つの特定支出は、いずれも給与の支払者が証明したものに限られます。


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浦田泉税理士 
    浦田泉税理士事務所
      浦田 泉 税理士
     東京都千代田区二番町
     1−2 番町ハイム737




2014年02月12日

数年間分の「生活費」を一括して贈与する場合

浦田泉税理士事務所 (東京都 千代田区)
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数年間分の「生活費」を一括して贈与する場合

【質問】
息子が大学の推薦入試に合格しました。
今年4月から一人暮らしをはじめますが、当面の生活費(2年分程度)を一括で渡したいと思っています。
息子に贈与税はかかるのでしょうか?


【答え】
贈与した財産が生活費に充てられず、預貯金となっている等の場合、その生活費に充てられなかった部分については贈与税の対象となります。


 贈与税の課税対象とならない生活費は、生活費として必要な都度、生活に充てるために贈与を受けた財産です。

 したがって、数年間分の生活費を一括して贈与を受けた場合、その財産が生活費に充てられずに預貯金となっている場合、株式や家屋の購入費用に充てられた場合等のように、その生活費に充てられなかった部分については、贈与税の課税対象となります。

 ちなみに贈与税の課税対象とならない「生活費に充てるために贈与を受けた財産」のうち「通常必要と認められるもの」とは、贈与を受けた者(被扶養者)の需要と贈与をした者(扶養者)の資力その他一切の事情を勘案して社会通念上適当と認められる範囲の財産をいいます。


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2014年02月10日

自宅兼事務所の家賃が必要経費にならない?!

浦田泉税理士事務所 (東京都 千代田区)
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自宅兼事務所の家賃が必要経費にならない?!

【質問】
自宅の一部を事務所として利用していますが、事務所として使っている部分の家賃を経費として計上できないという話を聞きました。
具体的にどういうことなのでしょうか?


【答え】
自宅の一部を事務所としている場合でも事業の遂行上必要であり、明らかに区分出来れば必要経費として認められます。
一方で、平成25年10月17日、自宅で保険代理店を営む納税者が支払う家賃を必要経費として認めない東京地裁の判決が出ました。



 保険代理店やネットビジネスなど、事務所を構えなくてもできる個人ビジネスはけっこうあります。
 その場合、自宅の一部を事務所としていることも多いと思います。

 このような場合に、事務所スペースに対応する家賃や建物の減価償却費、あるいは水道光熱費等を必要経費として計上することの是非が問われる裁判の判決に注目が集まっています。

 平成25年10月17日の東京地裁判決で争われたのは、生命保険の代理店業務を営む方のケースでした。
 月17万円で賃借していた住宅で、1階はビジネス専用の集会場、2階の洋室のうち1部屋は業務専用スペースとして、そられの面積に対応する家賃を必要経費としていました。

 これを必要経費に算入することが認められるかが争われた裁判において、裁判所は
「本件住宅について、全体として居住の用に供されるべき3LDKの2階建て住宅であり、その構造上、本件住宅の一部を居住用部分と事業用部分とに明確に区分することができる状態にないことは明らかであると指摘」
したそうです。

 また、「リビングなどを業務専用スペースとして常時使用し、それ以外の用向きには使用していなかったとは考えられないと指摘している」とされています。

 そのうえで、「本件住宅のうちのリビングなどが業務専用スペースとして使用されたいたことを前提に、その面積に対応する家賃を業務の遂行上必要なものとして必要経費に算入することはできない」と必要経費性を否定しています。

所得税では、「家事関連費が必要経費として認められるには、その主たる部分が事業の遂行上必要であり、かつ、その必要である部分を明らかに区分することが出来る場合に限られる」という定めがあります。

 この定めがあるからには、自宅の一部を事務所としている場合でも事業の遂行上必要であり、明らかに区分出来れば必要経費として認められるわけですが、適用するには十分な注意が必要となりそうです。


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浦田泉税理士 
    浦田泉税理士事務所
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