2012年11月

2012年11月30日

【税理士ブログ】2012年11月アップ分

【2012年11月1日(木)】アップ分
 ○浦田泉税理士事務所(東京都 千代田区)
  「 事業年度途中で役員報酬減額は要注意! 」


【2012年11月7日(水)】アップ分
 ○浦田税理士事務所(東京都 千代田区)
  「 会社分割した場合の消費税納税義務 」


【2012年11月12日(月)】アップ分
 ○浦田泉税理士事務所(東京都 千代田区)
  「タクシーチケットは一括で「旅費交通費」ではダメ?!


【2012年11月21日(水)】アップ分
 ○浦田泉税理士事務所(東京都 千代田区)
  「 定年後も継続雇用する社員に対する退職金 」



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2012年11月21日

定年後も継続雇用する社員に対する退職金

浦田泉税理士事務所 (東京都 千代田区)
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定年後も継続雇用する社員に対する退職金

【質問】
弊社の社員が当期、定年を迎えます。
しかし、この社員は当社製品のコア技術(手作業の部分)を一手に担う社員であり、その技術継承のために定年後も継続雇用することにいたしました。
そうなると、この社員の退職はもう少し先になりますから、退職金の支払は実際の退職時に行い、当期は退職金を未払金扱いで計上したいと思っています。問題ないですか?


【答え】
継続雇用する社員に対して、退職金の支給額が確定している場合、実際には支給せずに、退職給与相当額を「未払金」扱いとして税務上の損金に計上することは、原則としてできません。
いったん確定した退職金をその時に支給せず、実際の退職時に支給するということであれば、損金計上する時期も実際の退職時となります。


 ご相談の方もおっしゃるとおり、団塊世代で特殊技能や専門職の経験を持っている社員は会社にとって貴重な財産です。
 そうした社員を、定年後も技術継承や知見を活かしたアドバイザーとして継続雇用するケースが最近増えつつあります。
 しかし、定年に達した社員を引き続き雇用する場合、退職金の取り扱いには注意が必要です。
 
 継続雇用する社員に対して、退職金の支給額が確定している場合、実際には支給せずに、退職給与相当額を「未払金」扱いとして税務上の損金に計上することは、原則としてできません。
 退職金の損金計上扱いは、現実に退職金を支給した場合にのみ認められるものです。
 いったん確定した退職金をその時に支給せず、実際の退職時に支給するということであれば、損金計上ができるのは実際の退職時であり、定年に達した日を含む事業年度での損金計上は認められません。

 定年後も引き続き雇用する人に対して「退職金」を支給したケースであっても、

・定年後の身分関係が正規の社員と異なるなど、実質的に「退職」があったと認められる事実があり、
・また、その後の退職給与計算に既往の在職年数を加味しないこととされている場合

には、その定年時に支給した金額は税務上の「退職給与」として扱われ、法人所得の計算上は損金計上が認められます。


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浦田泉税理士 
    浦田泉税理士事務所
      浦田 泉 税理士
     東京都千代田区二番町
     1−2 番町ハイム737


   
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2012年11月12日

タクシーチケットは一括で「旅費交通費」ではダメ?!

浦田泉税理士事務所 (東京都 千代田区)
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タクシーチケットは一括で「旅費交通費」ではダメ?!

【質問】
最近、残業や接待など会社の都合でタクシーを利用することが増えたため、タクシーチケットを使うことにしました。
今月、はじめてタクシー会社から請求書が届きましたが、全額「旅費交通費」としても問題ないですよね?


【答え】
利用料金の支払いが一括でも、会計処理も一括して「旅費・交通費」で損金処理すると、税務調査で否認される可能性があります。
利用実態に応じて処理して下さい。


 好況期に比べて社用でのタクシー利用は減ったと言われています。しかし、大事な取引先の接待や、終電後まで残業した社員の帰宅の足として、タクシーはまだまだ利用する機会も多いのではないでしょうか。

 ご相談の方のように、ビジネスシーンでタクシーを利用する際に、タクシーチケットを使う会社もあるかと思います。
 記述式のタイプでは、利用者が精算時に乗車経路や料金などの必要事項をチケットに書き込み、運転手に渡す仕組みが一般的です。
 タクシー会社からは、通常、月に一度請求書が送付され、振込みや口座引落としで料金を支払います。
 会社としてはタクシー利用料金を後日一括で支払うことができるので管理上とても便利なシステムです。

 しかし、タクシーチケットの税務上の取り扱いには注意が必要です。利用料金の支払いが一括でも、会計処理も一括して「旅費・交通費」で損金処理すると、税務調査で否認される可能性があるからです。
 タクシーチケットの費目は、あくまで利用の実態に応じて処理する必要があります。

 例えば、取引先の接待に使ったのであれば「交際費」、社員が個人的な用事で使ったのであれば「給与」といった具合に利用目的によって費目を変える必要があります。
 また、他社が主催する懇親会に従業員や役員を出席させるためにタクシーを利用した場合は、あくまで会社の業務遂行上必要な費用であって、接待のために支出する費用でもないため、旅費・交通費として損金処理することができます。(この場合は懇親会の費用を他社がすべて負担しており、本来相手が支払うべきタクシー代をやむなく負担した、ということが条件になります。)


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浦田泉税理士 
    浦田泉税理士事務所
      浦田 泉 税理士
     東京都千代田区二番町
     1−2 番町ハイム737


   
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2012年11月07日

会社分割した場合の消費税納税義務

浦田泉税理士事務所 (東京都 千代田区)
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会社分割した場合の消費税納税義務

【質問】
会社分割をしたとき、分割継承法人が消費税の課税事業者になるのかどうか等の判断はどのようにすればよいのでしょうか?

【答え】
会社分割の場合の分割承継法人の消費税の課税・免税事業者の判定は、分割部分に対応する額を求めることはせず、合併の場合と同じく、分割承継法人と分割法人の各基準期間の課税売上総額の合計額を判定対象にします。

 「合併」の場合、被合併会社は消滅するのに対して、「会社分割」は、分割会社の一部分だけが消滅し、分割承継会社に引き継がれます。
いわば「部分合併」のようなイメージですね。

  会社分割の場合の分割承継法人の消費税の課税・免税事業者の判定は、分割部分に対応する額を求めることはせず、合併の場合と同じく、分割承継法人と分割法人の各基準期間の課税売上総額の合計額を判定対象にします。
たとえ部分合併のような性格であっても、全部合併と同じように扱います。

部分合併のようものだからといって、分割承継法人の基準期間の課税売上高と、分割法人の基準期間の課税売上高の分割部分に対応する金額を合計して、合計額が1,000万円を超えるかどうかで判定するわけではありませんのでご注意下さい。

 ただし、新設分割の場合は、新設会社に基準期間がないので、分割年度と分割翌年度の新設法人の課税・免税事業者の判定は、分割法人の各基準期間の課税売上総額によります。
 吸収分割での分割承継法人が免税事業者だった場合、会社分割に伴う課税・免税事業者の再判定は、分割年度と分割翌年度の両方において、分割法人の各基準期間の課税売上総額によります。

 新設分割の場合の分割翌々年におけるその新設会社の課税・免税事業者の判定は、分割会社と分割承継会社の基準期間の課税売上高の総額を合計したところで判定し、その期間の中途で分割があるときには分割月までの期間按分をします。
これは、合併法人の場合と同じです。

 ただし、分割法人と新設承継法人との間に支配関係があると、分割翌々年以後、期間無制限に、分割会社と分割承継会社の両方において、課税・免税事業者の判定は、分割会社と分割承継会社の基準期間の課税売上高の総額を合計したところで判定します。

 ちなみに吸収分割の場合は、合併や新設分割と異なり、分割翌々年以降に関する特別の定めがありません。

 新設分割は、比較的長い期間合計での判定することを考えると、吸収分割のほうがシンプルですね。吸収分割と新設分割なら吸収分割のほうが消費税という一面を見れば楽?!かもしれませんね。


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浦田泉税理士 
    浦田泉税理士事務所
      浦田 泉 税理士
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2012年11月01日

事業年度途中で役員報酬減額は要注意!

浦田泉税理士事務所 (東京都 千代田区)
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事業年度途中で役員報酬減額は要注意!

【質問】
当社の上半期が終了し、中間で試算表を見直してみました。
当期は業績が芳しくなく、下半期にも大きな売上が期待できないため、資金繰りと利益確保のために、社長である私の給与を減額しようと思っています。
何か注意すべき点はありますか?


【答え】
役員給与を改定する場合、税務上の損金算入が認められる「定期同額給与」の範疇に収まるかどうか、に十分注意を払うことがポイントです。
利益を確保するために役員給与を減額するという場合、損金に算入できなくなる可能性あります。


 業績が悪化してしまった場合の対応策に頭を悩ます中小企業経営者は数多くいらっしゃることと思います。
 支出を抑えて利益を確保したい場合には、まずは経営責任者として社長である自分の役員報酬を削ることを真っ先に考える方もいらっしゃることでしょう。(役員報酬は支出そのもの、損金そのものですからね)

 ご相談の方のように、上半期の業績が思わしくなく、事業年度の途中で役員報酬の減額を考える経営者の方もいらっしゃるかもしれません。

 しかし、役員報酬の金額変更は、増額も減額も注意しなければいけません。
 利益を確保するために役員給与を減額するという場合、損金に算入できなくなる可能性があるからです。

 役員給与を改定する場合のポイントは、税務上の損金算入が認められる「定期同額給与」の範疇に収まるかどうか、に十分注意を払うことです。

 改定後の役員給与が定期同額給与として認められるには、その改定が
(1)事業年度開始の日から3カ月以内に行われる定時改定
(2)役員の職制上の地位の変更や職務内容の重大な変更等が生じた場合の改定
(3)経営状況が著しく悪化したことによる減額改定

のいずれかに該当しなければなりません。

今回、ご相談の方は(3)に近いように思いますが、「経営状況が著しく悪化した場合」とは、
(ア)株主との関係上、業績や財務状況の悪化についての役員としての経営上の責任から役員給与を減額せざるを得なくなった場合、
(イ)取引銀行との間で行われる借入金返済のリスケジュールの協議において、役員給与を減額せざるを得なくなった場合、
(ウ)業績や財務内容または資金繰りが悪化したため、取引先等の利害関係者からの信用を維持・確保する必要性から、経営状況の改善を図るための計画が策定され、これに役員給与の減額が盛り込まれた場合

を指します。

 つまり、単に利益を確保するためだけの改定では「定期同額給与」とは認められず、損金に算入できない可能性があります。
 御社の場合、条件に該当するかどうかを検討してください。


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浦田泉税理士 
    浦田泉税理士事務所
      浦田 泉 税理士
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