2008年03月

2008年03月21日

<民法入門編> 第4回 「契約の取消 廖         塑承修閥迫の契約取消〜

前回は <契約の無効・取消・解除>シリーズ 
第1部 「契約の無効 についての基本事項をお話しました。
 
今回は、第2部 「契約の取消 
       〜詐欺と強迫の契約取消〜
についてお話します。

【前回のおさらい】
 契約を締結する時点で思っている意思(例:税金を払わないためにとりあえず名義だけ移転しよう。)と相手に対する表示(例:この土地、あなたに売ります。)が一致していない状態を処理する場面で、その契約が無効か有効を決めました。

今回は『取消』についてです。

 『取消』が出てくるケースは大きく分けて2つあります。
  ○詐欺と強迫
  ○未成年者の契約と制限能力者の契約

 まずは、「詐欺」について説明します。
  例えば、ある絵画展に行って店員さんが「この絵はヒーリン
 グ効果があります、この絵を部屋にかざっておくとマイナスイ
 オンが発生し元気になります」と言われて、あなたがこの絵を
 購入した場合の契約締結までのプロセスは、、、

  (1)この絵はマイナスイオンが発生するのか…。
  (2)体も元気になるなら、値段は20万と少し高いが
    買おうかな。(意思)

  (3)よし、これ買います!(表示)

  この場合は、(2)意思(3)表示は、一致しており
 ます。
  このケースは契約の相手がヒーリング効果のない絵を売っ
 たことに問題があります。も し、ヒーリング効果がなければ、
 あなたはこの絵を買わなかったかもしれません。
  あなたが、後日この絵にヒーリング効果がないと分かって、
 「こんなの詐欺だよ!」と思ったら契約の取消を主張できま
 す。

 契約の取消は、『取消』を主張するまでは、その契約は一応有効としておきます。
 契約の取消を主張した時点で、その契約は始めからなかった
こととして、あなたは相手に購入した絵を返還し、支払代金の
返還を要求できます。

 次に、「強迫」についてです。
  同じく、あなたは絵画展に行き店員さんから執拗に購入を
 勧められた。さらに別室に連れて行かれ、怖そうな大男達が
 やってきて「購入しないと帰れないよ」と脅された場合の契約
 までのプロセスは、、、

  (1)わー、怖そうな男達だよ。
  (2)ここで契約しないとやばそうだな…。
  (3)仕方ない、ここはいったん契約だけして絵を買って
    おこう…。(意思)

  (4)分かりました、この絵購入します。(表示)

  (3)意思(4)表示は、一応一致していますが、
 普通に考えておかしいですよね。この場合は、後日「強迫」
 理由に「契約の取消」を主張できます。

 「詐欺」「強迫」は、騙されたり、脅されたりした本人が取消を主張しない限り、契約は一応有効です。
 もし、あなたが契約において、騙されたり、脅されたりしたと
気づいたら早めに「取消」を主張してください。

以上、第2部「契約の取消 
     〜詐欺と強迫の契約取消〜 をご紹介しました。

次回は、<契約の無効・取消・解除>シリーズ
       第2部 契約の取消◆1
         〜未成年者の契約の取消〜
                        についてお話します。




2008年03月07日

<民法入門編>                      第3回 「契約の無効」

 <契約の無効・取消・解除>について3部構成でお伝えいたします。

 まず、今回は、第1部 「契約の無効」についてです。

 契約はお互いの意思が合致した時に成立すると前回お話しました。
 
 ところが、
  いくら相手と意思が合致しても認められない契約
                              があります。

 例えば、公序良俗に反する契約(人身売買等)は当然
無効
となります。
 また、当事者の意思と表示の間に一致がない場合にも
契約は無効
となります。
 
 『契約の無効』とは、「当事者間に法的効力をまったく認め
ないとすること」と定義されます。
 簡単に言えば、その契約はいくら約束してもお互い守る
必要がない
(そんな契約存在しない)と考えてください。
 公序良俗違反で契約が無効になる以外、民法では意思の
不存在がある場合で心裡留保(93条)、虚偽表示(94条)、
錯誤(95条)があります。

 まず『心裡留保』とは、冗談で契約を締結する場合です。
 例えば、A君が友人のB君に対して100万円あげるという
約束した場合
は、A君の内心(意思)では100万円あげる
つもりはないが、表示(言葉で伝える)は100万円あげると
言っている。
 民法は、「過失責任の原則」があるので、非のない人は
保護されます。
よって、うそつきのA君は保護する必要が
ないのでB君はA君に対して100万円を請求できます。
(心裡留保は原則有効となる)
 ただし、もしB君がA君の約束をはじめから嘘や冗談と
わかっていた場合は、B君を保護する必要がないので、
この約束は無効となります。
 例えば、A君が貧乏でお金がないことをB君が分かって
いる場合などです。

 次に、『虚偽表示』とは、「相手方と真意でない意思
表示をすること」と定義されます。
 具体的には、A君が借金取りに自分の家を取られない
ようにB君と相談して、B君にあげたことにする契約
です。
 これも、内心ではB君に家をあげるつもりはないのに、
B君と通謀(示し合わせ)して実態とちがう状態(B君に
あげた)にしている。
 この場合は、A君もB君もうそつきですからお互い保護
する必要はないので、この契約自体が無効
となります。

 最後に、『錯誤』とは、思い違い、勘違いで契約を締結
した場合です。
 例えば、A君が10万円で中古車を販売しようと思いチラ
シを作成したが、勘違いで10円としてしまった場合です。
内心は10万円と思っていたのだが、表示(チラシに掲載)
は10円として、内心と表示が食い違っています。
 この場合は、契約は無効として処理します。
 ただし、本当に10円で車が買えると信じた人との
調整も必要
です。
 
 そこで民法は、錯誤無効を認めるルールとして
 「法律行為の重要な部分に錯誤があること」
 「表意者に重大な過失がないこと」
 が必要です。
 
 分かりやすく説明すると、軽い勘違いや明らかに
注意が足りなかった場合の契約は有効
となります。

以上、第1部「契約の無効」についてをご紹介しました。

次回は、<契約の無効・取消・解除>シリーズ
       第2部 契約の取消
         〜詐欺と強迫の契約取消〜
                        についてお話します。




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